4.治療薬と注意


大きく,飲み薬(経口血糖降下剤)と注射(インスリン)とに分かれます.

経口血糖降下剤

1.スルホニール尿素系:
2.スルホンアミド系
3.ビグアナイド系
4.インスリン抵抗性改善剤
5.食後過血糖改善剤

 普通は1.又は5.の単独投与から開始します.場合によっては1.や4.又は5.を組み合わせる事が最近多いです.2.3.は余り使用されませんが出番がない訳ではありません.

 インスリン依存性糖尿病治療には必須.またそうでなくても上記の血糖降下剤を用いてもコントロール不可能な時に用いられます.インスリン欠乏型の一般的な糖尿病にはもっとも理論的にあった治療法でしょう.

 大事なことは自分がどういうタイプの糖尿病でありいまが糖尿病のどういう時期であり,服用している(又は注射している)薬剤がどういう働きをして血糖を下げているのか等をしっかり把握しておく事です.勿論薬剤名は覚えておかなければなりません.

 又服用法にも注意を払うべきです.経口血糖降下剤は普通は食事前に服用するものです(どうしてものめないとかの理由がある時は稀に食後でも可と云うこともありますが,これはのまないよりものんだほうがましだと云う理由からです.また,体内での半減期が長い薬剤の場合,食前も食後もあまり関係がないという医師もいますがこれは間違いではありません).

 例えば経口血糖降下剤のうちの5.の食後過血糖改善剤を朝1錠食後から始めましょうと云うような医療機関に行ってはいけません.そこは糖尿病治療には向いていません.ついでながら初めて血糖を測定してそれを見ていきなり投薬を始めるところも避けた方がいいでしょう.食餌療法や運動療法の話もないところは特に要注意です.

 インスリンに関してはいきなり開始されることがあるかもしれません.それはあなたの血糖が危険な位上昇しているか,合併症があるか,だからです.もっとも合併症も妊娠もない人が食後血糖が200mg程度でだしぬけに低血糖の説明もなくインスリンの注射をされたと云う話も聞きましたから(勿論即座に中止してもらいました)よくよく注意して下さい.糖尿病薬が他の薬と違う点はあやまった使い方をすると低血糖をおこし,場合によっては命を落としかねないという所です.胃潰瘍でない人が抗潰瘍剤をのんだところで殆どの場合何もおきませんが糖尿病薬はそうはいきません.

 さて,もっとも考えるべきことは薬をのむべきかどうかと云ったことです.糖尿病医が経口血糖降下剤を処方した場合,それは食餌療法も運動療法もしてもコントロールが不可能だと判断しているのです.インスリン注射を始めましょうと云った時は,経口血糖降下剤を服用してもコントロールが出来なくなったと判断している時です.

 よくある頭を悩まされる言葉に「インスリン打つようになったらもうお終いだよ」と周りの人が云うことです.罪な言葉ですね.このおかげでHbA1c(およそ1〜2ヶ月間の血糖コントロールの目安)が1年も2年も高いままで遂には脳梗塞や心筋梗塞,といった結果をひき起こす危険が急上昇するのをその人たちは判って云っているのでしょうか?いつも云うのですが,インスリンを打たないでHbA1cが10%で5年間いくのと,インスリンを打ってHbA1cが6%台で5年間いくのと危険さはこのページを読まれる方なら嫌と云う程お判りになるでしょう.せめて,「間接的な殺人」には参加しないで欲しいものですね.

 糖尿病は自己管理の大切な疾患と云われますが,こういう知識をつける事も含めて考えておいて欲しいものです.なんたって自分の体のことなんです.


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